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マイトガイ「S」の自動車特選街: 2004年10月アーカイブ

2004年10月アーカイブ

●日産自動車と三菱自動車が、来春に向けて、軽自動車事業を行う新会社設立に向け検討中とのこと。しかしそうなると、かつて戦後復興の一翼を担った「みずしま号」を生産。現在は同社の軽自動車生産を担っている岡山・倉敷の「水島製作所」の行方が気になる。

●かつて1917年に、三菱造船が日本初の量産乗用車「三菱A型」を発表。
続く1934年には、三菱航空機と合併して「三菱重工業」となった後、有力生産拠点「水島航空機製作所」として1943年に発足した水島製作所。以降ミニカ、コルト800、デリカ、ランサー、ミラージュと華やかりし頃の三菱自動車の屋台骨を支えた。

●そもそも来年には、撤退を決めていた岡崎工場から、コルト生産を受け継ぐ流れと思われていた水島製作所では寝耳の水の話。おかげで、噂の本社京都移転は凍結される模様で、渦中の岡崎工場も水島製作所の行方次第では存続の可能性が充分でてきている。

●今後、水島製作所の未来は、日産と三菱のどちらが主導権を握るかで結果は大きく違ってくる。ちなみに三菱自動車は、他にも名古屋・大江工場の一部売却。
プジョー・シトロエングループへのSUV供給や、北米での事業清算までもが議上にのぼっているらしく、事業縮小の可能性が大きくなりつつある。これは自らが墓穴を掘ったとはいえ、個人的には少し物悲しい気がしている。

●対する日産自動車は、モコ導入当初から他に選択肢がないほどの低コストで、スズキから車両のOEM供給を受けている。これに続き、三菱からはかねてからの商用車クリッパー続いて、自動車事業再編を進める三菱グループと組めば、ランク上位のホンダの背中が見えてくるはず。

●先般、米国の自動車殿堂で2004年の「最高指導者賞」に輝いたゴーン社長。彼はある意味ラッキーな役回りとなった。というのは、これまで危ういと言われていた中期経営計画の「日産180」(2005年9月までに「世界販売259万台を100万台増)が、この流れを受け見事達成される可能性が出てきているのである。

●マレーシア政府が公用車への天然ガス車の積極利用や、軽油にパーム油を混ぜたバイオディーゼル普及に向け調査を進めるそうな。またほかにも多彩な代替エネルギーを模索していく方針という。

●まぁ無理もない話で、ただ今マレーシアのガソリン価格は10月1日に値上げされて以降、上昇し続け1バーレル当たり201.40Mドル(53米ドル)となっている。ちなみにこのバイオディーゼル、近年になって耳に入り始めた向きもあるかも知れないが、実際には自動車誕生の前からの深〜い歴史が横たわっている

●ちなみに上記の歴史にも、「製造の容易さやリサイクル性に惚れ込んだフォードが、バイオマス燃料に着目した」という記述があるが、実際バイオディーゼル燃料は、エステル化の原理を使えば自宅でも簡単に造ることのできる燃料のひとつである。それに実は日本でもアルコール燃料の歴史は結構旧いのである。

●かつては、石油不足を補うため1937年にアルコール混入法が成立。20%程度までのエタノールがガソリンへ混入を許可され使用していた経緯があるのだ。ただ昨今の日本では、バイオマスでも「ディーゼル」という名称がつくと、どうもマイナスイメージが強くなる。しかし欧州ではバイオマスディーゼルが社会を変革しつつあるほどである。

●大豆油や菜種油、向日葵油にパーム油と、油脂材料も豊富なバイオマス燃料。日本国内ではライオンが積極的な研究を重ねており、山海堂のENGINE TECHNOLOGYにも研究レポートが掲載されている。
一方、南米ブラジルの影響もあってか米国・ネブラスカ州では、穀物からのエタノールを10%以上含む燃料に1ガロンあたり3セントのガソリン税を割引く法案が1973年に成立している。

●続く1978年10月には、このバイオマス燃料のガソホール1ガロン当たり4セントの免税を実施するエネルギー法案が可決。今日では国家援助のもと燃料用アルコールの研究が進められ、一般にバイオマス燃料が流通している。

●アコードを基本に開発した「ヌエラ」や、セドリックを基本に造り込んだ「ガリューII」など、その他複数車種を韓国へ送り出すことを決めた光岡自動車。さらにマレーシアのTDカーズ社と正規輸入販売代理店契約を締結。トヨタ製の2000ccエンジンを搭載した「TD2000」を日本国内において発売した。ボディカラーや装備、スタイリングの詳細は下記のリンクを参照されたい。

●この同車専用サイトは、随分前から「候ご期待」状態であったが、遂にその勇姿が拝見できるようになっている。気になる価格は、459万9000円(5MT)と483万円(4AT)。初年度販売目標は20台。エアコン(12万6000円)も別途装備できる。クルマそのものは50年代のスポーツカーMG-TDのイメージを現代に復活させたもの。

●思えばかつて事ある毎に我々を驚かせていた現、光岡進会長が社長を退任して以降、ご本人は車両開発に専念しているという噂であったが、正直、市販車として腰を抜かすモデルは少なかったよう思う。しかし今回は輸入販売とはいえ、久々のシャシーからの総製作車として期待感は高まる。これを機に光岡自動車オリジナルの型式認定車もそろそろ見たい気がする。

●それに世の中では来る2007年代頃に、現在、企業在職している管理職達のオジさま達が一気に退職する時代が目前に迫っている。今は仕事に追われ、自分どころではない彼らが退職すれば、車両購買層の勢力図も大きくシニア世代に傾くだろう。

●実際、シニア男性達はかなりのクルマ好きで、バリバリ働くいわゆる団塊世代も、今は家族のものばかり買ってはいるが、本当に欲しいモノには 「クルマ」や「ハーレ」などが並んでいる。このため同車はコトによると意外な健闘をするのかもしれない。ちなみに先のTD2000は、現地のメーカー体制は受注生産らしく納車までに3カ月から4カ月程度掛かるそうである。このため欲しい方はお早めに。

●自動車レースのなかで最も環境に優しいイベントに、EVカーレースやソーラーカーレースがあるのはご承知の通り。しかしさらにその上を行く究極のエコカーレースがこの世に存在している。それが今回ご紹介する「Soap Box Derby(ソープボックスダービー・主宰・NPO法人日本ソープボックスダービー)」である。このソープボックスダービーとは、エンジンを搭載していない車両で坂道を駆け降りる競技だ。国内には他に「NPO法人全日本ダウンヒルダービー協会」というのもある。

●比較的単純明快なレースの内容からすでにお察しの通り、そもそもの発祥の源流は米国。石鹸工場から石鹸を出荷するために造られ木箱に、車輪を組み付けて競争用車両を造ったためSOAPBOX CARという名前が付いている。とは言ってもそれは昔の話。今はF1マシーン状のモダーンなキットカーが用意されていて、ドライバーの技量と車両の抵抗値をいかに少なくするかが勝負の分かれ目になる。

●またこのソープボックスダービー参戦にはいくつかの愉しげな鉄の掟もある。そのひとつは、かならず親子で参加しなければならないこと。これはソープボックスカーに乗ることのできるドライバーが9歳から16歳までの少年少女に限られているからである。

●また競技車両は親子の共同作業で自作するのも掟。つまりこのレースはレーシングマシーンの組立という準備の段階から、最終的に順位を争う競争に至るまで、絶対に家族ぐるみで愉しまなければならないのである(全日本ダウンヒルダービー協会では、少年少女だけなく成人も主力となって出走している模様)。

●実際のレースは直線状の坂の上にマシーンを並べ一気に滑り降りる。エンジンがないといかにも迫力がないように思えるが、実際には時速30マイル(時速50キロ以上)超をマークすることも決して珍しくない。 出走カテゴリーは複数に分けられていて、分類は対象年齢だけでなく車の総重量もバラストで統一されるため、すべがイコールコンディションとなる。

●そんなソープボックスダービーの発祥をさかのぼると、1933年にも達するというからその歴史は意外に旧い。最初のレースはオハイオ州デイトン市で行われたという記録が残っている。翌年からは本格的なレースとなって以降、米国の自動車メーカーやタイヤメーカーがサポートする本格的なものに発展。当地では年間数百回ものシリーズ戦が繰り広げられているほど人気がある。

●日本で公式競技となったのは「オールアメリカン・ソープボックスダービー」に組み込まれた2001年から。今や日本チャンピオンが国際大会に遠征するところまで来た。去る2002年の世界大会では、当時12歳の伊藤浩士選手がスーパーストック部門で6位入賞。米国で話題を提供した。ちなみに日本ソープボックスダービーでは選手権シリーズ拡大のため開催地に適した坂道を探している。

●理想の坂道は200メートル以上の直線2車線。アスファルト舗装路で、スタート地点が100m距離で1.5メートルの高低差が必要。コース終端には傾斜が少なくなってゴール地点は水平。さらにその後少し上り坂になるのがベスト。またゴール付近に、レース後の車検と重量測定用のテントが設置できるというのが最適なんだそう。このソープボックスダービーに興味があるというハッピー親子。さらに理想の坂道が付近にあってレース開催を希望する向きは、NPO法人 日本ソープボックスダービーに是非ともご連絡されたい。

●愛知県豊田市の堤工場で生産されているプリウス増産を目指し、新たな生産拠点として注目が集まるトヨタ車体。来る東京モーターショーでは、次世代パワーユニット搭載車の量産開発にも関わっている模様。そんな同社がこの年末年始のビッグイベントである2005年・パリダカに参戦することを発表した。

●すでにトヨタ車体では、専用ページも開設済。チーム名はランドクルーザー100の3台体制で挑む「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー」。目玉となる主力ドライバーに元F1パイロットの片山右京選手を起用。今回の挑戦でどこまで実績を残せるのかがチョット気に掛かるところだ。

●20世紀終盤頃から、高級4WD車をターゲットにした自動車盗難が急増。しかも最近は窃盗の手口がより巧妙・組織的になり、しかも対象車を問わない無節操振りが目立ち始めている。おかげで愛車の盗難被害に肩を落とすドライバーは絶えない。

●もちろん自動車オーナーがそのまま手をこまねいているだけでは、愛車は返ってこないから、イモビライザーなどのエレクトロニクスタイプから原始的なロック装置に至るまで、多彩な自動車盗難防止装置が爆発的に普及するようになった。

●そもそも当初は、大規模な「盗難マーケット」であった米国・西海岸経由で沢山の輸入品が日本国内に流入していたが、今では日本製・海外製を問わず、多数のセキュリティ装置が世の中に溢れ返っている。ゆえに自動車損害保険業界では、こうした自動車盗難装置の「格付けが必要」と言われているくらいの活況さである。

●しかし、以来、自動車盗難そのものは実のところそれほど劇的には減少していないようだ。そんな折り、自動車捜索を社会に広く呼びかけることのできる画期的な愛車捜索依頼blogが、日本のネットワーク上に登場した

●ちなみにこれは数年前からWeb上で盗難車・轢逃げ車 指名手配機構を立ち上げて、盗難車捜索を熱心にサポートしている日本ジャーナル社の活動の一部だ。そもそも同社は、永らくアフターマーケット向けの報道媒体を発行し続けている会社。特に板金整備市場では知らぬ者はいない老舗メディアである。

●Web上の方の活動はすでに自動車雑誌でも取り上げられ ているようだ。で、今回はさらにその活動をblogとして拡張。これによって被害者はより迅速な行動がとれるようになった。

●だいたい盗難されたクルマ達は、そのまま即刻分解されたり、驚くほど迅速に海外に持ち出されたりするので盗難予防は大事だが、もしも盗難されてしまった時は、早期発見でないと手元に愛車が返ってくる可能性は限りなく低くなってしまう。だからこそ折角の公開サイトを活用して自動車盗難を撃退したいと思う。

●来る11月3〜7日に千葉市の幕張メッセで一般公開される「第38回 東京モーターショー(働くくるまと福祉車両)」。今回は113社が約300台を展示する予定。
まぁCVベースのショーなので、とっても地味で、その規模も乗用車主力で開催する奇数年の同ショーに比べるとホントに小さい。けれど各社共に出展詳細は、すでに発表している。
ちなみにこうしたCV系のショーは、電装メーカーや普段あまり社会に向けてアピールすることがない企業の技術が公開されるので、クルマ好きのオタク系マニアだけなく、社会インフラや交通環境に興味のある向きならきっと愉しめるハズ。

●順を追っていくと、まずは商用車ペースでは業界トップ。近頃は大株主トヨタとの連携で、以前までは単価が低く儲からないと放置していた小型トラック市場に進出している日野は、「安全+環境フロントランナー」をテーマに参考出品車12台(ハイブリッド車6台)、市販車2台、技術展示物3点を出展。
今回のショーでは、ブルー系のカラーがイメージコンセプトらしく、どのクルマもデザイン的には近未来を思わせるものになっている。
目玉は、乗用車との正面衝突被害を軽減する衝撃緩和フロントストラクチャー内蔵の「ASVコンセプトL」。車輪に巻き込み防止カバーを装着、さらにミラーに装備した複数のカメラで周囲の歩行者を確認することで死角ゼロを目指した小型集配トラック「ASVコンセプトC」など、周辺安全に配慮した内容を全面に押し出す。
いずもASVコンセプトということで、通信装置の搭載などITSインフラに対応した装備が搭載されている模様。もちろん定番のパリダカ出場車「日野レンジャー」も出ている。

●日野の豊富な出展構成のなか、親会社たるトヨタは、商用ベースではあるがソフト路線を打ち出している。
ただいつもの乗用車系統とは違い正直言ってあまり派手さがなく、少し寂しい気もするのだが、今回はグループのなかでCVを担う日野に主役を譲った恰好なのかも知れない。
具体的には、メタリックカラーが目印で野外演奏向けの移動音楽スタジオ兼DJブースになる新型「ハイエース」のカスタマイズカー「HIACE Sound Satellite」。レーシングカートを2台積載するスペースを確保、リフトや工具を収納できる大型観音開きバックドアを設定した新型「レジアスエース」のカスタマイズカー「REGIUSACE MY KART FACTORY」。
さらに国内でもラグシー仕様ベースとして考えれば、なかなか面白いと思える米国市場向けV8エンジン+高出力モーターのハイブリッドのフルサイズトラック「FUTURE TRUCK CONCEPT」など参考出品車6台、市販商用車および市販福車両11台の計17台の車両を出展。

ダイハツは、商用車・福祉系スモールカーの未来像を提案。次世代の軽商用コンセプトカー「FFC」、「FRC」、基本性能を一新した新軽商用車「New HIJET CARGO」、「New HIJET TRUCK」、自操式福祉車両「Mira Selfmatic」、ハイブリッド車「New HIJET CARGO Hybrid」などを出品。

●先般、世界初の尿素SCRシステムを実用化した日産ディーゼル工業は、超高圧燃料噴射でPMを低減する新GE13エンジンと、それに組み合わせる尿素水「AdBlue」タンク、NOxを低減する尿素SCR触媒等をフレームに搭載したカットモデルを展示。さらに直噴CNGエンジン搭載の中型CNGトラック「CONDOR(コンドル)」など、燃料経済性と環境対応の両立を実現する車両を6台展示。屋外開催の商用車同乗試乗会では「CONDORキャパシターハイブリッドトラック」に乗ることが可能。

日産自動車は、参考出品車の「キャラバン ボックス イン ボックス」の他、福祉車両ではティーダ「アンシャンテ」を筆頭に軽自動車から商用車・スポーツカーまで幅広いラインナップを展示展開する模様。

●トラックメーカーとしても建設機械、マリン・産業用エンジンでも世界のメジャーブランドであり、FH・FMでディーゼル車に対する東京都環境確保条例・平成17年規制適合を発表したボルボは、主力モデルの環境性能を中核に展開するかたちになりそうだ。

●ダイムラークライスラーの完全連結子会社となったものの、三菱ブランドとして、今回CVシーンを担う三菱ふそうは、なんと展示車が3台だけという寂しさ。東京モーターショーへの出展を大幅に縮小した恰好だ。
その代わりに、同ブースで品質問題がらみのコーナーを設置。同問題や企業文化改革への取り組みについて展開される模様。気になる車両展示は、コンセプトカー「FUSO CONCEPT」、大型トラック「スーパーグレート ハイルーフダンプ」、ハイブリッド小型トラック「キャンター HEV」。

●一方、「ITS世界会議 愛知・名古屋2004」への出展概要を発表したり、また、FIAからWRC不参加の罰金を請求されたりと、何かとお騒がせな三菱自動車
同社は、テレマティクス実験車「iT−グランディス」や、PDAを応用した運転支援システム(レーン逸脱警報システム)など「タウンボックス 車いす仕様車(車高ダウン式)」「グランディス 助手席ムービングシート仕様車」「ランサー セルフトランスポート仕様車」など市販福祉車両を計5台出展。

●1896年にトラックを世界で初めて送り出したダイムラークライスラーは、先般インターナショナルトラックオブザイヤー2004を受賞したACTROSなど、車両安全性や環境性能を全面に押し出した展開になりそうだ。ちなみにACTROSでは、PM低減装置を搭載することなく、東京都環境確保条例、第二次規制をクリアすることを謳っている車両だ。

●経営資源を国際的に活況を極めるディーゼルエンジンビジネスに集中。昨今は乗用車事業撤退もあって、一般ドライバーには馴染みが薄くなりつつあるいすゞは、障害のあるトラックドライバー向けの電動補助装置やクラッチ操作を伴わないMT「スムーサーG」で運転する「ギガマックストラクタ」ベースの車椅子対応福祉車両。生産体制をタイに集約。同国から70カ国に輸出しているピックアップトラック「D-MAX」など12台の車両(参考出品車7台)、9基のパワートレインの他、商用車用テレマティクスを出展。

マツダは、来春モデルの「プレマシー」が出品の目玉。他に「ボンゴバン コンセプト」「ボンゴトラック キャンパー仕様車」。環境技術の「RENESIS水素ロータリーエンジン」ディーゼルの「MZR-CD with DPF」を展示。

スズキは、新型アルトベースのフラワーショップ車「アルト ハートスタンド」など移動販売を目的とした車両など、さすがに堅実性を全面に押し出すスズキらしい出展構成。垂直式ゲートリフトを装着した軽のオートバイ運搬車「キャリイ ゲートリフト式バイクキャリイカー」も出品。

ホンダは、外見は普通のコンパクトカー風でドアを開くとトラック並みの荷物を積載可能なピックアップバン「P・V」。ホビーライフを楽しむ新提案トラック「HOBICK」。車いすドライバーでも愉しめる「アルマスコンセプト」などを出展している。

●シニアパワーが遂にクルマ市場に炸裂し始めたようだ。というのは、9月30日に発売したばかりの日産「ティーダ」がこの10月13日までの受注で1万台を突破。発売後約2週間で月販目標だった5000台の2倍に達したからである。

●こうしたニュースはこの自動車業界にはよくあるお話。実は線香花火の様に瞬間的に受注が入った後、販売数が衰退していくケースは決して珍しくはない。ただ注目すべきは、その購入年齢にある。その比率は39歳以下が25%、40〜49歳が20%、50歳超55%というもの。

●ただじっくり考えてみれば、日本国民の25%はもはやあきらかなシニア層であるから、この数値にはうなずけない訳ではない。ただハッキリしてきたのはコンパクトカーの価値基準がここにきて大きく変貌してきていることだ。

●これは日本国内だけの話ではなく、小型車を愛する欧州でもコンパクトカーは、もはや年収や年齢に関係なく400万台以上のセールスを記録している。もはや我慢や忍耐とは無縁のコンセプトが求められているのである。

●ただ今回は日産も狙った訳ではないかも知れないのだが、こうしたいわゆる「オトナ向け商品」というのは、一時期のファンシーな女性向け製品と同じくなかなかコンセプト造りやアピールの方法論が難しい。しかし新たに誕生しつつある購買層を踏まえ、小型車の販売競争はこれから世界規模で一段と過酷さを増していく気配ではある。

●オークネットは、9月の中古車テレビオークション車種別ランキングを発表している。このオークネットという会社。クルマ好きな方にはすでにお馴染みであると思う。午前中に街の中古車店に行くと、社長や店長が真剣な眼差しでPC画面を凝視しているのを目にすると思うが、あの画面がソレである。

●そんなオークネットは1984年に創設された会社で、すでに創業20年を超えている。事業内容は、衛星通信と地上回線を組み合わせたバーチャルな環境で、中古車オークション市場を提供している会社である。この手のオークション情報サービスとしてはまさに先駆けといってイイだろう。

●同社の登場で中古車販売店は自店にいながら、商材の車両調達が容易に可能になった。おかげでコネやしがらみを駆使した車両調達は衰退。一般人が中古車販売店を持つことは昔ほど難しいものでなくなっている。その代わり、もはや中古車市場においていわゆる「掘り出し物は存在しない」と考えてイイ。

●というのは、大抵の業者はこうしたネットワーク上から車両を調達していて、そんな調達車にお化粧(この度合いが肝心なのだが...)を施して店頭に並べるというスタイルであるからね。中古車取引というのはまさに「一物一価」のハズなの世界だが、今やこれが業界のデファクトスタンダードであることは一般庶民も是非とも知っておいて欲しいと思う。

●さてそんなオークネットのデータによると、この9月の累積でホンダ「ライフ」が2カ月ぶりに首位を奪取。トヨタ「セルシオ」が2位に、前月首位のスズキ「ワゴンR・2WD」が3位に後退していることが判る。ちなみに上位20車のなかで輸入車がなんと7台もある。どうやらミニバン売れまくりの構造は影を潜め始めた模様だ。

●話題のお詫び広告を筆頭に、お公家様企業「三菱」の話題がのぼらない日はない昨今だが、この混乱のなか、ダイムラークライスラーは三菱自動車本体との共同プロジェクト見直しの検討に入った。

●具体的にはプラットフォームの共通化やエンジン開発を継続。予定していた「ギャラン」・「ディアマンテ」クラスの新中型車開発は白紙に戻る可能性が高い。ダイムラークライスラー内でも支援門建てに関してはモメている様子。

●そんななかで、ダイムラークライスラーにとってアジア戦略上不可欠だった「三菱ふそうトラック・バス」のほうはシッカリ取り込みに成功。三菱との出資比率で当初ダイムラークライスラーが43%、三菱自動車43%、三菱グループ15%でスタートしたが、三菱自が保有株の半分をダイムラークライスラーに売却。今や同社の完全連結子会社である。

●実のところ三菱ふそうトラック・バスは思いの外、事業状態は好調で、2004年3月の連結決算では有利子負債を773億円も削減。国内車両販売49%増。海外7%増を達成。なんだかんだと言われながらも、法人顧客層に熱烈な「ふそう」ファンが多いのである。

●今後は中国を筆頭とするダイムラークライスラーのアジア戦略で、三菱ふそうトラック・バスが活躍する可能性は高い。一方の三菱自動車はそもそも1917年に三菱造船としてスタートし、様々な離合を繰り返してきた訳で、この機会に余剰資本や人材を削減。新たな事業経営のかたちを目指すのだろう。

●宮城県では毎年秋、「宮城バスまつり」というローカルイベントをやっている。イベント自体はそれほどたいそうなものではないけれど、仙台市交通局が廃車バスの表示板やらの車両系パーツの販売を行うことから、実はコアな交通マニアにはよだれモノの催事として知られていた。しかし来る2005年から自動車リサイクル法が施行されることで同イベントは今年限りでお蔵入りになるかも知れない。

●一見、宮城のいち地方都市の小さな話題と思ってしまうが、ここには意外な自動車リサイクル法の矛盾がある。来年施行される同法律では、廃車からの部品取り外しが登録した解体業者だけに限定されてしまうからである。広義では京都議定書の批准もあり、これからは環境保全をシッカリ行っていくのだから、もっともなことではある。しかし...。

●来年以降、何らかのかたちで自動車の中古車部品に関わりたいと願う事業者は、施錠可能な舗装された専用敷地が必要になるなど資格取得に物理的な条件が発生する。このため日々膨大なクルマを扱うであろう一般の自動車整備事業者であっても、解体業者資格の取得は条件次第で相当難くなってくるのである。

●近年は自動車のアフターマーケット環境も世知辛くなったことで、一般の整備工場でもまだまだ使える廃車部品や中古車部品をストックするという事例が増えてきた。なかには敷地内にマニア向けの超レア車の部品取り車を保管しているショップもある。しかし今後は解体業者資格を持っていないとこうしたビジネスは認められない。

●そういうコトは、これまで通り「こっそりやれば良い」という考えだってある。けれども自動車整備業は毎日の仕事だから違法行為を黙認し続けるのは難しいし、解釈の範囲は次第に大きく拡大されてくる。特にクラッシュした車両を扱う板金塗装事業者は、来年以降、頭を悩ます問題が少しずつ起こってくる様に思えてならない。

●日産ディーゼル工業が、現時点において世界で最も厳しい平成17年(新長期)排出ガス規制対応技術として超高圧燃料噴射と尿素SCR触媒を組み合わせた尿素SCRシステム「FLENDS(フレンズ)」を実用化した

●具体的な詳細は、上の日産ディーゼル工業のWebサイトに出ているが、要点はNOxに加え、石原東京都知事がフリフリしていたPM。つまりあの煤に関するW規制で世界で最も環境に優しいクルマを開発したということ。
加えて、これまでは真面目一点張りで、業界のトレンドに対して常に「後追い状態」であったあの「日デ」が、独自技術のアドバルーンをイキナリ打ち上げたことには正直、失礼ながら心底驚いた。

●エンジン技術も名前もフルっており、FLENDSこと、Final LOW Emission New Diesel System。要は同社の「最終兵器」いや、もといディーゼルエンジンの「真打ち」というニュアンスなんだろうと思われる。
ただ発表当日は、あいにく一般受けし易いホンダ・レジェンドの新車発表とカブったこともあって技術系・ビジネス系メディア中心のお披露目となった模様。

●この7日、品川プリンスホテルで開催された技術発表会会場での日デは、相も変わらずの「発表ベタ」。ある意味有名メーカーなのだが、この素朴なタッチこそ同社の隠れた魅力だったりする。
しかしその中味は、先のロシアの批准発言でいよいよ現実味を帯びてきた京都議定書のクリアという面において、運輸業界の救世主になる可能性を秘めている。

●素人見に気になるのはシステム上必要となる尿素水の問題。しかしこれについても現段階で全国1000拠点程度の給油(水)ポイントを確保するなどなかなか抜かりない。SSが少ない北海道でもすでに実用レベルのインフラを敷いているそうな。
実際の車両は来る11月の幕張・東京モーターショーでお披露目となる模様で、年内には相当数の尿素SCRシステム搭載トラックが街道を走り始める。

●以前も記したが尿素SCRシステム技術は、海外メーカーも究極のディーゼルエンジン・デバイス技術として注目しており、欧州ハノーバーのモーターショーでも、次世代の尿素SCR技術実現に向け、大手トラックメーカーたちがマジで凌ぎを削っている。

●ちなみに技術の核心は、尿素SCRシステム上のハードウエアというより、尿素水をいかなる状態において、どいういう風に使うかというソフトウエア系技術がむしろポイントだそう。既にパテント申請済みということで、内部構造や仕組みについて同発表会では「まだ内緒...」というコメントを頂いてしまった。

●今日、日本でのディーゼルエンジンはまさしく極悪人の様な扱い。けれども欧州を中心に彼の地では結構持てはやされている。
ならばここで技術レベル上、日本が首位に立ったことでもあるし、あと幾ばくもないかも知れない化石燃料ユニットではあるけれど、日の本の技術者たちの英知を掻き集め、技術を粋を極めた究極のユニットを是非見てみたいと思う。

●最後に別話題の宣伝をひとつ。今月、辰巳さんからムック形式のVOLVO本が発行された。実は中味を一部執筆している本人なんだけど、筆者にはまだ媒体が届かない。オーイどうなってるの。まぁとにかく、メルセデス、BMWに次いで3番目に売れている個体であるから、ご興味のある向きは是非とも書店でドーゾ。

●佐藤琢磨は来る2005年に向けて現チーム残留...などという流れのなか、マクラーレンのD・クルサードは引退の可能性が浮上。それとは入れ替わりにモントーヤがマクラーレン入り濃厚など、早くもF1シーンはストーブリーグ突入の予兆が色濃い。

●そのモントーヤは、中東で開催される「A1グランプリ」に参戦するかも、との噂が出ている。出走チームはコロンビアナショナルチームだそうで、実のところ同国とは割と縁の深い筆者は冬のレースシーズンを早くも楽しみにしている。

●今やモントーヤの母国では、彼がアメリカからヨーロッパに渡って以来、F1こと「エッフェ・ウーノ」の人気はうなぎのぼりである。この流れは佐藤選手を配する我々日本人の感覚に極めて近い。
さて、ちなみにその「A1グランプリって何じゃらホイ」と思われた方は多いハズ。これは中東の産油国ドバイが、今年春先にブチ上げた新レースプランのこと。資金にはコト欠かないドバイ王室が無制限に投資する意欲を見せており、不景気風吹き荒ぶ日本国民にとっては夢の様なおハナシではある。

●気になる使用マシーンは、英国ローラ・インターナショナル社のシャシーを使う。これに3500ccクラスのユニットを載せ「ハードウエアとしては完璧なイコールコンディションで勝負する」という潔いレギュレーション設定が大きな特徴である。いわばちょっと前のフォーミラー・ニッポンのノリのクルマを参加選手全員が駆る感じだろうか。
開催地域はアジア、アフリカ、中東など、一般的にレース開催の少ない地域を対象に興行展開していく。

●先にも言ったが、イコールコンディションが同選手権の肝なので、今ハヤリの電気的システムは一切搭載されない。優勝賞金は200万ドルとF1に比べれば大したことないが、全レースで5位以内に入賞したチームは、参戦費用を主催者が負担する太っ腹振りも発揮すると聞いている。これら前評判通りならかなり熱いレースが展開されそうな気がしており、望外に愉しめるのではないかと密かに期待している。

●「熱い」と云えば、かつてF1シーンでひときわ熱い走りを披露したネルソン・ピケ。その息子のアンジェロ・ピケが若干19歳2か月で、英国F3チャンピオンを獲得した

●残念ながらアンジェロ・ピケのナマの走りは未だ見たことないけれど、サラブレッドの血を受け継いだ2代目ゆえ、オトーちゃんと同じくクレバーな走りをする選手なのかも。ちなみに実は筆者としては、4輪よりも2輪のクチなのであるが、今年は佐藤選手効果もあってか4輪の方に注目しがち。2輪にも良い日本人選手は多いけど、近頃は一時期の勢いが薄らいだ気がするのは筆者だけの感覚なのであろうか。

●日本自動車研究所は、日本における高度道路交通システムことITS産業動向の調査研究報告書をまとめた
巷ではもはやカーナビのないクルマは考えられないくらいカーナビ市場が成長。05年度末までの累計出荷は2500万台、07年度末で3400万台の出荷を見込んでいる。

●さらに当初伸び悩んでいた自動料金収受システム(ETC)の車載器マーケットでの03年度の販売台数が前年度比3倍の180万台。あと5年以内には1600万台になると予測。ようやく利便性が浸透してか着実に拡大し続けているようだ。

●こうなると気になるのは、DSRCこと狭域通信サービスの行方。このDSRCと言うのは、Dedicated Short Range Communicationの略で、日本語の直訳では「専用狭域通信」の意。
つまるところ路側に設置された無線装置と、車載器の間で無線通信を行うしくみだ。今もETCとして実用化されているものだが、今後はガソリンスタンドでタイヤの空気圧やオイル交換時期が相互通信で自動的に判別できたりするカタチに発展する見込み。

●このDSRCの普及効果は絶大で、ハイテク通信機器の好き嫌いに関わらず、この時代の流れが一般ドライバーを飲み込むことになる。いよいよ情報の大切さが身にしみる時代がやってくるだろう。
ちなみに同計画に深い関わりを持っている電気通信技術審議会は、来る2015年までのDSRCサービス累積市場を12兆円と試算しているほど。 本格実用化は2010年頃になるとギョーカイ雀たちにささかれている。

●他にも自動車を取り巻く通信関連では、目まぐるしい動きが表面化しており、この20日からは新たなモバイル放送も開始になる。
これは東芝やトヨタ自動車など88社が出資して設立したモバイル放送で、モバHO!という名称で始まる携帯型専用端末向け衛星放送である。

●端末販売は、東芝やシャープから携帯端末が11月に発売されるが、他にも携帯電話や車載用端末も順次用意される。
気になる加入料は2500円、月額基本料400円で、料金は拡大するが最大で約40チャンネルが受信可能だそう。

●サービス開始当初は、ラジオ30チャンネル、テレビ7チャンネル、データ放送サービス60タイトルという布陣。より細かくみていくとテレビ番組はNHK、NNN、CNNj、日経CNBCのニュース。ラジオ番組では有線ブロードネットワークスからの11チャンネル、オリコンランキングの紹介番組、アメリカFM局のサイマル放送も提供されるらしい。

●今後3年で加入者510万人を見込んでいるらしく、こうなると未来に向けたドライブインフォメーション情報など、車載機を介した新しい情報メディア網が誕生する可能性は高い。まさに情報の洪水が始まる訳で、情報提供側は使いまわしによる収益拡大が見込めるが、受け手側は情報入手先の選択眼がますます必要になりそうではある。

●日野+トヨタは昭和シェル石油とコンビを組み、合成液体燃料のGTLが持つ低公害性を引き出すべく、新ディーゼルエンジンの開発に着手した
このGTLというのは、天然ガスから生成される無色透明な液体燃料のことだ。GTLは、燃焼特性が良く、硫黄分・芳香族分を含まないから、排出ガス浄化効果が期待できるというシロモノなのである。

●同燃料はいわゆるバイオマスタイプで、Gas to Liquidsとギョーカイでは呼ばれている。何やらちょっと名前を聞くと多くの人は「液化天然ガス」と錯覚してしまうかもしれない。
けど実際にはまったく別モノだ。液化天然ガスは空気に触れると気体になってしまうが、GTLは空気中でも軽油と同じく液体として扱える。

●でこのGTLの利点は、軽油の代替燃料として比較的使い易いことにある。要は大幅なインフラの改造なしに既存の自動車や、日本全国に4万5千ケ所あるとも云う現ガソリンスタンド設備で取り扱うことができるのだ。ただ現在は生産体制上、供給量に限界があって当面は軽油との混ぜて使う程度しか造られていない。

●日野とトヨタはこのGTLの将来性を見込んで、中大排気量の直噴ディーゼルエンジン研究と小中排気量の直噴ディーゼルの研究を行うことを決めた。
ちなみにGTLの同研究は、経済産業省からの交付金を基に新エネルギー・産業技術総合開発機構が公募した2004年度の「革新的次世代低公害車総合技術開発事業」のひとつだ。

●さて、近頃は強い社会の要請もあって、こうしたディーゼルエンジンの低公害化に関しては世界において多彩な試みがある。けれどいずれもその鍵は、日本で云うところの「新長期排出ガス規制(2005年〜)」や、その後に続くポスト新規制(2008年〜が目安)を筆頭に、お国毎に次々と過酷になっていく法規制に掛かっている。特に緊急の公害要因は、窒素酸化物の「NOx」と、石原東京都知事がフリフリしている「PM」こといわゆる煤。このふたつの削減は日本にとっては急務の仕事となってきている。

●ただディーゼルエンジンというのは、「PMを削減するとNOxが増える」、逆に「NOxを減らすとPMが増える」というのが構造上の宿命。
そこで近頃の低公害エンジンは、「燃焼室でNOxを削減した後、触媒でPMを採るEGR式」と、「燃焼室でPMを削減した後で、触媒でNOxを分解するSCR式」の2タイプがある。
このふたつを簡単に説明すると、EGRは最終段階においてフィルターを使いPMを取り込む。他方SCRは、排気ガスを尿素の水溶液に通すことでNOxを分解するというもの。世界ではこの方式を巡ってふたつの陣営が競合中だ。

●そんな訳で、EGRタイプはトヨタ+日野グル−プが積極的に展開中。一方のSCRはベンツやボルボ、スカニア、日本では日産ディーゼルが水面下で研究しているそうな。
欧州で主流を占める勢いのSCRは「尿素選択還元型NOx触媒」の略。つまり尿素とは、よくある美容クリームに含まれている尿素と同じ。これが排気ガスの低公害化に貢献するというのは、よくよく考えてみるとなかなか面白い話だよね。

●今やディーゼルエンジンの低公害対策は新しいステージに到達しつつあるようだ。
もはや既存のエンジン開発の考えでは、厳しい社会の要請に応えられない。そんな時代を迎えている。
今年、千葉では来る11月に商用車・福祉車両を取り扱う東京モーターショーがあるけれど、今回のショーでは思いもしない画期的なエンジン開発技術が見られるかも知れない。実はその可能性はとても高いと診ている。

●トヨタ系企業の中から、新車両会社の「トヨタ車体」と、新内装会社の「トヨタ紡織」がこの10月1日から発足した。
トヨタ車体は、既存企業のトヨタ車体とアラコの車両部門が統合したもの。トヨタ紡織の方も、既存の豊田紡織とアラコの内装部門だったタカニチが合併したもの。双方共に企業規模は超巨大。トヨタ紡織はこの次点で世界4位の内装メーカーとなるくらいだものね。

●ちなみに近年のトヨタの動きは、日本野球界で「オレ流」を貫き、今年リーグ優勝を果した落合監督ではないけれど、まさに他国の国際企業とは違う「トヨタ流」と呼ぶべきもの。
ムーディーズが何と言おうと、グループ間の連携を強めて、より巨額の株主資本率やキャッシュフローを目指すのだろう。一方、米国トップの自動車メーカーGMは、部品部門をデルファイ・オートモーティブ・システムズとして分離するなど、経営スタイルはトヨタとは正反対の様に見える。

●ただ独自技術にこだわるなら、周辺部品メーカーの競争力をあげつつ結束を図るというのは利にかなっている。
というは、もはや自動車の中心技術は、トヨタで云うところのデンソーなどの部品メーカーのテクノロジーがモノを言うからだ。これまでは自動車メーカーが主導権を握ってきた自動車の世界だが、今後、次世代自動車登場の原資はデバイステクノロジーの進化もあって、部品メーカーの体力に掛かっていると言えるほど。
新しい自動車の姿を占うなら、むしろこれからは周辺部品メーカーの動きをチェックした方が良さそうではあるよね。

●GMが、2005年1月からの自動車リサイクル法施行にあたり、取り扱い車のリサイクル料金を発表した。昨今、自動車メーカー各社がこうしたリサイクル料金を発表していて、こうした自動車のリサイクル料金というのは、シュレッダーダスト・エアバッグ・フロン回収費用が大半。このためGMの場合でも、高級帯のキャデラックCTSで2万1120円。ベクトラが2万770円と新車価格ほどの差がない。

●実はこうした安全装備の影響は、事故車の補修にも絡んでいる。例えばヴィッツのエアバックのユニットそのものの価格は、セルシオと基本的に変わりない。そのユニット単体費用は数万円程度では済まないから、補修費用に占めるエアバック料金の比率は、相対的に低価格車の方が高くなるのだ。つまり事故車補修にあたって、低価格車は、エアバック交換の費用がかさむことで簡単に廃車になってしまうのである。

●けれど新車ライン上でのユニット価格はそれほど高額ではないハズ。だから補修用ユニットの価格をコストダウンできれば、事故車両の補修率が上がり、リサイクル率はさらに高まる。事故に遭遇したクルマを直して乗るより、いっそ「新車」というのが人情だけど、自動車のリサイクル率を高めるなら「補修時のエアバック価格を下げる」ということもやってもらいたい。

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