●シニアパワーが遂にクルマ市場に炸裂し始めたようだ。というのは、9月30日に発売したばかりの日産「ティーダ」がこの10月13日までの受注で1万台を突破。発売後約2週間で月販目標だった5000台の2倍に達したからである。
●こうしたニュースはこの自動車業界にはよくあるお話。実は線香花火の様に瞬間的に受注が入った後、販売数が衰退していくケースは決して珍しくはない。ただ注目すべきは、その購入年齢にある。その比率は39歳以下が25%、40〜49歳が20%、50歳超55%というもの。
●ただじっくり考えてみれば、日本国民の25%はもはやあきらかなシニア層であるから、この数値にはうなずけない訳ではない。ただハッキリしてきたのはコンパクトカーの価値基準がここにきて大きく変貌してきていることだ。
●これは日本国内だけの話ではなく、小型車を愛する欧州でもコンパクトカーは、もはや年収や年齢に関係なく400万台以上のセールスを記録している。もはや我慢や忍耐とは無縁のコンセプトが求められているのである。
●ただ今回は日産も狙った訳ではないかも知れないのだが、こうしたいわゆる「オトナ向け商品」というのは、一時期のファンシーな女性向け製品と同じくなかなかコンセプト造りやアピールの方法論が難しい。しかし新たに誕生しつつある購買層を踏まえ、小型車の販売競争はこれから世界規模で一段と過酷さを増していく気配ではある。
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