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いよいよ自動車リサイクル法がスタートする! しかし... - マイトガイ「S」の自動車特選街

いよいよ自動車リサイクル法がスタートする! しかし...

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●2005年1月1日となった今日。いよいよ「自動車リサイクル法」が本格施行される。これを受けてリサイクル料金や情報を管理する立場である「財団法人 自動車リサイクル促進センター」では、同制度の大枠が固まった2003年中盤以降、突貫工事でシステム開発を敢行。同システム構築に関わった関係者たちは今日、午前9時からのシステムスタートを固唾を飲んで見守っている。

●というのは、同制度のスタートによりシステム上、「自動車メーカー」「車両販売事業者」「解体事業者」間でとてつもなく膨大な処理費用と、それに付随する情報のやり取りが一斉に始まるからだ。それだけに同サーバの構築作業は、一般金融機関の管理システム開発を上回るほどの大仕事となったからである。

●しかしどうして自動車リサイクル法施行にあたり、管理システム開発で金融機関システムのそれを上回る構築作業量を求められるのかと云えば、それは膨大な処理工数に加え、自動車リサイクル促進センターが今日から管理していくことになる天文学的なリサイクル料金ゆえのことだ。

●そのリサイクル料金の内訳には、「シュレッダーダスト」「エアバッグ類」「フロン類」をそれぞれ適正に処理するための費用、またリサイクルの管理に必要な情報管理料金と資金管理料金が含まれる。これらをクルマの所有者が支払うと、その費用は対象車両が廃車になるその日まで、自動車リサイクル促進センターで管理・保管される。

●ただどうやら一般のクルマ社会では、未だ自動車リサイクル法のしくみを充分理解している向きが少ないらしい。そこで一度同法の概略をここでいちから説明しておきたい。まずその趣旨だが、自動車リサイクル法は循環型の社会をつくるため、自動車メーカー、輸入業者、販売事業者、車両の所有者がそれぞれの立場で車両の再利用を進めていくという趣旨の法律である。

●この自動車リサイクル法では、車の所有者がリサイクル料金の支払いと廃車時の引取業者への引渡しを担い、自動車メーカー&輸入事業者はシュレッダーダスト、フロン・エアバックなどのリサイクルや適正な処理を促す。

●自動車整備事業者は、リサイクル料金の預託業務を。引取業者は車両の最終所有者から使用済み車の引き取る業務。フロン類回収業者は使用済車からのフロンを完全回収する役割を。解体業者は使用済車の解体。破砕業者は解体された車のプレス・せん断・シュレッダー処理を担う。

●そして原則として、2005年からすべての四輪車の所有者は、これらの作業に必要なリサイクル料金の支払いが義務付けられる。ちなみにこれは新規の車両購入者だけではなく、既存車両所有者にも初回車検や廃車の際に支払い義務が発生する。問題の料金の支払先は、販売店や引取業者などを経由して「自動車リサイクル促進センター」に支払う恰好だ。でこの自動車リサイクル促進センターとは、国から指定を受けた資金管理法人なのである。

●資金管理法人の自動車リサイクル促進センターでは、この処理費用のプールと管理を2005年の今日から開始する。詰まるところ、集まった処理費用のプールは実質的には政府で管理されていくという構造で、この膨大な資金の行方、その運用先がどうなるのかは、その支払い対象者の多くが選挙権を持つ一般ドライバーたちゆえ、気に留めておいた方が良い話題だ。

●集まった資金の運用が、第二の郵貯や、高速道路料金のようにならないことを祈りたい。それと余談だが使用車両を廃車すれば、預けた費用はリサイクル料金に使われることとなるが、所有車両を売った場合、預けたリサイクル料金は払い戻しが可能になる。ただしこれは車1台に付き1回のみの措置。つまり幾ら旧い車両でも、オークションなどで売却するなら、車両のリサイクル費用は新しい所有者が改めて担うというかたちになる。

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このページは、kenjiが2005年1月 1日 04:20に書いたブログ記事です。

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