HOMEサイトマップ第1面●メーカー動向・生産

スバルがホンダに真っ向勝負を挑むモータースポーツジャンルとは - マイトガイ「S」の自動車特選街

スバルがホンダに真っ向勝負を挑むモータースポーツジャンルとは

| コメント(0) | トラックバック(0)

●中国での「森林人(フォレスター)」新車発表会場における、中国紙「新京報」記者の取材から始まったとみられる中国の同社合弁生産計画について、新京報に「上汽汽車が濃厚」と書かれた翌日になってこれを否定するという、今回いささかチクハグな報道対応をした富士重工業ことスバル。
そんな富士重工業は、米国のモータースポーツシーンである意味レースが本業とも思えるホンダと熾烈な首位争いを展開。がっぷり四つ相撲を繰り広げているレースカテゴリーが存在している。

●それは日本の大手二輪車メーカーが参入し、「利幅が大きく貴重な収入源」とヤマハが語るほど盛況な米国ATV(4輪バギー)市場でのおハナシである。このATV、見た目は二輪のオフロードマシンと非常に酷似しており、その違いはタイヤが4個ついていることくらい。その風貌から二輪車メーカーの参入はなるほど頷ける。しかしそのなかでスバルとは「ナゼ」と考える向きもあるかと思う。

●しかし富士重工業はそもそも自動車だけを造って食べている会社ではない。現在、富士重工業には大きく分けて4つのディビジョンがあり、まずそのひとつが「スバルオートモーティブビジネス」というお馴染みの自動車事業だ。2番目は中島飛行機から続く航空機造りのノウハウで、小型飛行機やヘリコプターを造ったり、ジャンボジェットの翼などを製造している「航空宇宙カンパニー」。3番目は最も新しい事業の「エコテクノロジーカンパニー」で、ここでは風力発電システムや塵芥収集車を造っている。

●そしてもうひとつ、今回最後の4番目に挙げるのが「Robin(ロビン)」ブランドの発電器や、米国「Polaris(ポラリス)社」向けに高性能ATVやスノーモービルのエンジンを開発・供給する「産業機器カンパニー」である。埼玉県北本市に拠点を構える、この産業機器カンパニーの富士重工業における部門売上げ高比率は約4%余り。見た目の数字は大きくないが汎用エンジンロビンのブランドシェアは世界4位と立派なもの。WRCではボディ側面に誇らしげにロビンマークが掲げられ、ピットワークでもロビンの発電器が活用されている。

●さて、今回話題に挙げたポラリス用のATV供給エンジンは、ホンダやヤマハなど世界のレースシーンで1、2位を争うライバルメーカーに立ち向かっているだけに、競合メーカーと並ぶ最新鋭のエンジン技術を採用したものになっている。ちなみに当地のATVレースは、日本のモトクロス人気はまったく足元にも及ばないほどの盛り上がりで、そのなかで2003年には、富士重工業が供給したパワーユニットを搭載するポラリスのフラッグシップ「Predator(プレデター)」が、堂々のSportsQuad of Yearに選ばれている。

●どうも日本にいると、ステレオタイプにしか報じないTVや新聞報道のせいで企業動向の一部しか判らないことが多い。このため業界下位メーカーの動向も掴みにくいのであるが、実のところこの富士重工業を筆頭に、それぞれ下位に甘んじているメーカーにも面白い活動領域や見えない特徴があるものなのである。

●さてそのATV市場に関しては、国内でのニュースにも若干動きが出ている。それは現地市場の6〜7割が日本車であるという現実(当然ポラリスは含まれていないはず)。さらにホンダは熊本製作所で造っていたATV「TRX450R」の生産を、北米法人HAM社から熊本製作所に移管するなど、伸び続ける需要に生産体制の見直しに入っているという。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://sakaue.to/mt-tb.cgi/41

コメントする

このブログ記事について

このページは、kenjiが2005年7月21日 05:08に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「コルベットも冠するシボレーのボウタイマークにまつわる伝説」です。

次のブログ記事は「クルマの次世代動力源問題「環境」の御旗下でさらに加速」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。