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「ヒトの感性に訴える!」そんな次世代テクノロジーの覇権は誰の手に? - マイトガイ「S」の自動車特選街

「ヒトの感性に訴える!」そんな次世代テクノロジーの覇権は誰の手に?

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●日本と同じく米国でもガソリン価格が高騰している。目下、米国におけるガソリンの小売価格は、レギュラータイプで1ガロン平均2ドル31セントと、この7月に入ってから10セント近く高騰した。この高値は米国でも過去最高額である。

●そんな中、電力使用を筆頭にエネルギー消費には、比較的大らかだった同国民もさすがにこれを深刻に受け止めたようだ。特に年間所得300万円前後の一般庶民層は、財布からの支出を大幅に抑制しつつあるという。

●そんな訳だから、トヨタプリウスの駆動用バッテリーを大型にし、モーターによる走行モードを時速55kmにまで引き上げた「Prius+(プリウス・プラス)」を公開した米国の非営利団体「CalCars」の試みは、タイムリーな話題として現地メディアでも積極的に取り上げられた。

●しかし思えば大昔のことだが、かつて低公害車の投入で米国の話題をさらったクルマはホンダのシピックだった。きっとこのことを覚えている団塊の世代は多いことと思う。遙か1972年にCVCCエンジンを発表し、低公害車テクノロジーの先駆となったはずのホンダは、この21世紀を迎えてからはトヨタの後塵を浴び続け、今や米国で低公害車といえばプリウスの寡占状態にある。

●もちろんホンダもその間眠っていた訳でない。1999年7月の広報資料では、現行シビック搭載のIntelligent Motor Assistこと「IMA」と同一線上にあるパラレルハイブリッドの技術を紹介している。

●エンジンとモーターの回転数を自在に独立制御するヨタの「THS II」に対し、モーターをエンジンに直結させたシンプルな構造を貫くその姿勢は、エンジンを主役に据えたホンダスピリットを良く表現しているようにも見える。

●大西洋を超えた英国で、このホンダの試みは好評を得ている。2003年にはHonda Civic IMAが、EcoFleet、Fleet Week、Fleet Managementの読者投票で「EcoFleet Car of the Year」を受賞。そして7月5日に発表された第3ステージのIMAは再び伝統のシビックに搭載され、この日本の地でも今秋にはお目見えする予定だ。

●そんな第3世代ユニットでは、走行状況別に低・高速回転+エンジン抵抗を3分の1にするエンジン休止モードをバルブ制御で駆使する格好になる見込み。モーターユニットの減速エネルギー回生量は従来比10%UP、ユニットそのものも1.5倍となる。気になる動力特性はエンジン出力のナチュラル感が命だ。

●個々の動力ユニットの役割は「発進加速が低回転エンジン+モーター」「急加速時は高回転エンジン走行+モーター」「高速クルーズ時はエンジンによる低回転走行」「減速時にはエンジン全気筒休止+モーター回生」となる。とは言ってもプリウスのようにエンジンは完全停止しない。モーターとエンジンが直結されているから、全気筒休止時にはモーターがエンジンを空転させる。ドライバーがエンジンブレーキと感じる減速感覚はエネルギー回生の抵抗感という訳だ。

●これまで化石燃料の台頭と共に発展してきたクルマの動力源だが、今後はその役割をどのような形でモーターに譲っていくのか。またその新しい動力はどのようにしてエンジンの出力特性を受け継いでいくのか。レクサスでエンジンの存在を消し去ることには成功したトヨタだが、むしろヒトに訴求していく運転感覚では下位メーカーに先んじられている。

●今やあのF-1ですらエネルギー回生を目的とするブレーキシステムの導入に関心を持つとされる時代だが、そんなエレクトロニクスを背景とした舞台において、新しい運転感覚の模索と動力フィーリングを求めていくイニシアチブ競争が、世界の自動車メーカー間で激しく繰り広げられていくことになりそうだ。

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このページは、kenjiが2005年7月15日 03:25に書いたブログ記事です。

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