●今年のモーターショーを通じて巷の一般紙では、トラック業界でハイブリッド車の波が到来しつつあると結んでいる。確かに昨今はトラック事業者とはいえ、人家のない郊外に操業拠点を設けるのは難しい。
●そこで一般道に出るまでの短い区間では高速走行時、蓄電池に溜めた電力で住宅街を抜けるキャパシターユニット搭載車や、走行中の減速時に回生エネルギーを回収、加速時のモーター駆動として利用する配送用ハイブリッド車両などに大きな可能性がある。
●実際、こうした車両には政府から補助金が支給されるとあって注目度も高い。しかし今年のショーは、これまでにない世界最高水準でディーゼルエンジンの低公害化を達成した日産ディーゼルのエンジン技術にも注目したい。
●同社この世界最高水準の「超高圧燃料噴射+尿素SCR触媒」搭載車を早くも今年11月末から日本各地のトラック事業所へ供給し始める。現在世界規模では、EU圏のトラックメーカーが市場を占拠するなか、低公害化の核となる尿素水の供給体制をも含め、日本国内の下位メーカーである同社が実現させた、そのパワーは並大抵ではない。
●今後はダイムラークライスラーを背景とする三菱ふそうや、業界トップ日野の追撃が始まる訳だが、現時点で日デに追いつくのは難しそうだ。今後、日本において環境対応技術の主役はどのパワーユニットになるか。その行方は日産ディーゼル工業の新型ユニット「フレンズ」に懸かっていると言えそうだ。
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